活動報告
「第10回 都市大留学生カフェ」を開催しました(7/11)

2018年7月11日(水)、ほっとカフェ中川にて「第10回都市大留学生カフェ」が開催され、15名の近隣住民の方々にご参加いただきました。
「留学生カフェ」は、本学と都筑区役所、特定非営利法人ぐるっと緑道が主催・企画し、本学と横浜キャンパスのある地域の方々との相互理解を深めるための小さな国際交流として回を重ねています。
第10回となった今回のプレゼンテーターは、大学院環境情報学研究科博士課程に在籍するネパールからの留学生、ガウタム・バスデブさんです。ガウタムさんは、JICA(国際協力機構)の一員としてネパールで働いていた日本人の勤勉さに心を打たれ、日本の仕事の仕方を学んで母国に貢献したいと考えて、ネパールの大学院を卒業後、来日しました。本学の大学院では、建物内の環境と健康の関係について研究をしています。
今回は、ネパールにある10の世界遺産について写真を用いて紹介しながら、ネパールの自然や、寺院の街と言われるカトマンズ盆地の宗教建築、文化が紹介されました。
ネパールは、国境を中国とインドに接し、北部にはヒマラヤ山脈がそびえています。世界遺産のうち、自然遺産のチトワン国立公園には、絶滅危惧種のインドサイ、ベンガルトラなどの貴重な野生生物が生息しており、サガルマータ国立公園には、やはり絶滅危惧種のユキヒョウが確認されています。
また、仏陀生誕の地・ルンビニも文化遺産に登録されています。そしてネパールの首都・カトマンズがあるカトマンズ盆地には、7つの文化遺産が指定されています。ガウタムさんから、ヒンドゥー教寺院、仏教寺院、王宮のあった広場と、世界遺産を通して、ネパールの歴史と文化が紹介されました。
講演後には、ネパール出身でガウタムさんの指導教授であるリジャル先生も加わって、活溌な質疑応答が行われました。
質疑応答では、たとえば、ネパールは最大宗教のヒンドゥー教(国民の約83%)、仏教(国民の約9%)、イスラム教(約1.5%)をはじめ約10の宗教が信仰されていますが、“どの宗教に入信する”というのではなく、また入信リストのようなものもなく、生まれた家の宗教を自然と信仰し、生活習慣は宗教とともにあること、そしてネパールでは異なる宗教を信仰する国民同士が、うまく共存している様子などが紹介されました。
ほかにも、国土や気候(ヒマラヤは寒いイメージだが、緯度は沖縄と同じくらいで日中はポカポカしている)、治安(安定している)、主な産業(農業が中心。GDPは低いが自給自足で貧困ではなく幸せに暮らしている)、高等教育事情(トリブバン大学がネパール最大の大学であること)、日本との貿易(日本への輸出は工芸品が中心)、日本の印象(勤勉で公共心が高く、ネパールの発展のための参考になる)など、多様な事柄が話題に上りました。
その後、同研究室所属のネパールからの留学生2名が加わり、参加者の皆さんとフリートークで会話を楽しみました。話題は、大学での研究テーマ、地元の話などさまざま。あっという間の楽しいひとときとなりました。
ガウタムさんの感想:今日は、とても楽しかったです。日本語で上手に話せたかどうか不安ですが、父や母の世代の方と交流できたのも、嬉しかったです。
参加者の感想:ネパールというと、エベレストのイメージが強いですが、今日は、街の様子や宗教の話などを聴くことができ、興味深かったです。
■関連リンク
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今回のプレゼンテーター ガウタム・バステブさん
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美味しいチャイを飲みながら
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第2部、交流会の様子