東京都市大学
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地域社会との連携に関する取り組み

活動報告

第20回「神奈川産学チャレンジプログラム」にて、本学の5グループが入賞しました

第20回「神奈川産学チャレンジプログラム」にて、本学の5グループが入賞し、2024年12月17日(火)、パシフィコ横浜(神奈川県横浜市)のアネックスホールにおいて、表彰されました。

「神奈川産学チャレンジプログラム」は、神奈川県内の大学と一般社団法人神奈川経済同友会に加盟する企業・団体との学生の人材育成を目的とした課題解決型研究コンペです。第20回となる今年度は、18大学204チーム、935名の学生が参加し、40社の設定した実際の経営課題に基づくテーマに取り組み、解決策を研究して提案しました。

表彰式では、それぞれの企業から表彰状を授与され、企業の方や他大学の受賞者と交流しました。
以下に、入賞した取り組みをご紹介します。

<最優秀賞>新保チーム(メディア情報学部社会メディア学科・関(博)研究室[指導教員:関博紀准教授])

川本工業株式会社が設定したテーマ「YOKOHAMAの未来を彩る幸福な建築物~必要な施設と理想的な設備の融合~」に取り組みました。先進的な都市である横浜に必要な施設を検討するにあたり、みなとみらい、横浜駅エリアの現地視察や調査、同社の特徴、施工実績の精査などを行い、観光地付近の避難所の少なさについて指摘しました。そこで、近年広まるフェーズフリー(日常と非日常を切り分けず普段使うものを備えに生かす)という考え方を取り入れて、必要かつ理想的な避難先と、平常時の観光を融合した施設「MMWW(Minato Mirai World Way)」を提案しました。災害発生時の長期避難に加え、災害シミュレーションなどの防災観光・防災教育、世界各国の気候などを再現し体験する模擬海外旅行など、国際都市横浜やSDGsの観点にも配慮してバランスよく機能する内容を整えました。


<最優秀賞>貝塚チーム(都市生活学部都市生活学科・マーケティング研究室[指導教員:北見 幸一准教授])

第一生命保険株式会社が設定したテーマ「人生100年時代の今、若年層のみならずミドル・シニア層も含めた、幸せ実現のための商品・サービスの企画立案」に取り組みました。テーマにある“幸せ”の定義を、“自己実現できている状態”と解釈しました。また、少子高齢化社会の影響を受けて、働く世代(主要な保険加入者層)の減少と若年層の低加入率という保険業界の現状や精神疾患の患者は年々増加している一方、サポートする機関・サービスは少ないという社会の現状を分析しました。その後、アンケート調査によって、①人生設計において不安が多い②“幸せ”には身体と心の健康が深く関係している③精神的に追い込まれた経験をもつ人のうち、自己解決をした人の割合が高い④精神的に追い込まれた経験がない人でも、将来的にそういう時期が訪れると考える人の割合が多いという結果が分かったことから、新たなサービス「心の健康保険」を提案しました。若年層や保険に迷う人を対象にした掛け金の少ない「とりあえず安心プラン」と精神疾患に苦しむ人が現在の環境を変えやすいようサポートする「心の健康保険」によって、誰にでも身近に感じてもらえる保険に仕上げました。


<最優秀賞>高原チーム(デザイン・データ科学部デザイン・データ科学科[指導教員:蓮池 公威教授])

京浜急行電鉄株式会社が設定したテーマ「羽田空港のインバウンド対策を強化し、便利でストレスフリーな移動とおもてなしを提供。沿線への流入促進を目指す施策を展開。」に取り組みました。「旅とは何か?」という問いに立ち返り、多角的な調査を行った結果、外国人観光客が重要視しているのは「旅行先の雰囲気や人々の気質を感じる体験」と「旅行中の意思決定のプロセス」であることが明らかになりました。そこで、観光客が訪問先の空気や気質「アトモスフェア」に触れ感動する体験を多段階に亘って提供する「アトモスフェアタッチ」というコンセプトを提案しました。またその中で、単発的な体験に留まらず、トリガーを連続的に配置することによって、「アトモスフェアタッチ」に連続性を持たせ日本への好感を深めることの重要性を説きました。提案時には、観光客の行動と心情の変化を視覚化し、複数の旅のシナリオも作りました。
本学では3、4年生を中心とする研究室単位での参加が多い中、本チームは2023年度に開設されたデザイン・データ科学部の1、2年生による自主ゼミの取り組みで受賞に至りました。

<優秀賞>北川チーム(環境学部環境創生学科・丹羽研究室[指導教員:丹羽 由佳理准教授])


川本工業株式会社が設定したテーマ「YOKOHAMAの未来を彩る幸福な建築物~必要な施設と理想的な設備の融合~」に取り組みました。来訪者数などのデータ分析と夏季のフィールド調査から、みなとみらいは来訪人数が多いにもかかわらず、屋外空間の利用が低い可能性を指摘しました。要因は猛暑や日陰の少なさにあると推測し、誰もが気軽に立ち寄って暑さや寒さをしのいだり休憩できたりする新たな公共施設「影トピア」の設置を提案しました。休憩以外の用途として、道案内機能を設けたり、「影トピア」を有効に機能させるための散歩コースを策定したり、オリジナルアプリケーションと連動させたりすることで、来訪者が快適に散策できる理想的な環境をデザインしました。


<優秀賞>佐藤チーム(環境学部環境創生学科・丹羽研究室[指導教員:丹羽 由佳理准教授])

株式会社オカムラが設定したテーマ「オカムラの持つ強みを活かした“何度も訪れたくなる“新たな商業空間のカタチを考える」に取り組みました。同社の大切にしている「人が生きる点」という価値観で培った「顧客との信頼関係」「顧客課題解決力」「確かなものづくり」という3点の強みを分析し、「何度も訪れたくなる」という点についてはECが台頭する現代社会において、実際の店舗にしか設けられない価値であることを示しました。また、何度も訪れたくなる商業施設の代表例としてサードプレイスを謳うカフェの存在も考慮に入れました。既存調査の研究、カフェ店舗の利用実態調査、アンケート調査などを経、カフェの家具を同社製にし、利用して気に入った時には購入できるシステム「choいす」を提案しました。同様のシステムをとる店舗はすでに存在していますが、購入時の専用アプリの導入、AR(拡張現実)を活用した自宅設置時のシミュレーション、専用アプリのポイント割引という特徴を加え独自性を追求しました。

<関連するリンク先>
神奈川産学チャレンジプログラム