東京都市大学
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地域社会との連携に関する取り組み

活動報告

都市生活学部の学生が、自由が丘の街づくりについて、調査・研究成果を発表しました

2022年2月28日(月)、自由が丘会館(目黒区自由が丘)にて、「東京都市大学 学生による提案と研究の発表会 学生たちと考える自由が丘のまちづくり2022」(主催:本学、株式会社ジェイ・スピリット)が開催されました。

今回で6回目となる同発表会は、地域と連携した実践的な街づくりプロジェクトを展開する都市生活学部・都市プランニング研究室(指導教員:末繁雄一准教授)が、株式会社ジェイ・スピリットとの連携協定(2020年4月)に基づき、自由が丘をフィールドにして行った調査・研究成果を、地域へ発表・提案することで将来の街づくりに貢献することを目的としています。
当日は、目黒区、地域住民、商店街振興組合、ディベロッパー、自由が丘の街づくりに関わる専門家やコンサルタントの関係者など参加者約30名を前に、発表と意見交換を行いました。

第1部 3年生による地域調査・まちづくり提案発表
テーマ:自由が丘の公共空間の将来像策定に資する調査と提案

発表者:荒川和之、佐野千紘、田口貴大、林千尋、藤枝翔

建物の老朽化、道路幅の狭さを課題として再開発や都市計画道路の拡幅が計画されていることを背景に、公共空間の将来像(コンセプト“GARDEN“)を提案しました。提案に当たっては、アクティビティ調査、滞留流動調査、インタビュー調査を行い、多様な利用方法を促す空間、車の多い道路に対する滞留空間、歩行の安全な快適で交流の増える空間をそれぞれ整備することが有効と考察しました。その後、都市再生推進法人に指定された株式会社ジェイ・スピリットが公開するグランドデザインとも照合させ、自由に使える公園、まちについて考える「まちの学校」、緑道図書館といった豊かな緑環境と人々のコミュニティを生む公共空間を提案しました。

第2部 4年生による研究発表
テーマ:自由が丘地区の路上荷捌き車両の実態と歩行環境への影響評価

発表者:金井瑛理香

消費スタイルの変化に伴い、今後は歩行者にとって居心地の良い歩きたくなる街路空間が必要だとし、歩行環境に影響を及ぼす路上荷捌き車両(以下、荷捌き車両)の実態調査と歩行環境への影響評価を行いました。調査については、自由が丘駅周辺11か所のエリアを対象として、路上荷捌きの実態と交通量を調べ、駐車台数、歩行者数、自動車交通量のそれぞれ多いエリアと駐車時間、横持ち距離のそれぞれ長いエリアを特定しました。歩行環境への影響評価については、荷捌き車両の駐車に因り道幅が狭くなることから、歩行者密度を試算し、最大同時駐車台数や停車・駐車禁止の規制有無などを考慮して、歩きやすさを算出しました。その結果、荷捌き車両の駐車のみで歩きやすさの低下を示す指標とはなりませんでしたが、複数台の同時駐車など他の要因が加わることにより、歩きやすさの低下につながる可能性が見られました。複数ある評価指標の重みづけなどを行い、歩きやすさ指数を構築することを今後の課題としました。

テーマ:自由が丘来街者の屋外公共空間利用の有無と地区内行動との関係
発表者:熊倉瑞歩

消費スタイルの変化に伴い、商業空間は物を買う場所からそこを訪れ滞在を楽しむ時間消費型の場所に需要が高まっていることを背景に、屋外の公共空間(以下、屋外空間)における滞留が地区内の立ち寄り場所の増加や滞在時間の延長などに貢献しているのではないかという仮説を立て、屋外空間が地区内の行動に与える影響を精査しました。また、とりわけ屋外空間と飲食行為の関係性に着目しました。自由が丘への来訪者を対象に、来訪日時・場所、目的などのアンケート調査を行い、屋外空間の利用有無別に、立ち寄り場所、滞在時間、回遊距離などを比較しました。また、屋外空間利用者の行動(飲食・休憩など)を、環境、機能、立地、心理の観点から分析しました。その結果、屋外空間には来訪者の回遊行動を長くさせる効果があるものの一時的な休息として立ち寄り場所の数などには変化を及ぼさないこと、及び九品仏川緑道に近い店舗ほど飲食物をテイクアウトする回数が増えることを明らかにしました。今後地区内行動の拠点を明らかにすれば、時間消費型の街づくりを計画する上で屋外空間の役割や重要性を示せるのではないかと考察しました。

テーマ:道路上での賑わいを計画するためのVR技術による活動景観表現に関する研究
発表者:井上直幹

人口減少やライフスタイルの多様化に合わせて道路空間の在り方が変化しているため、国土交通省は2020年11月、道路法などの一部を改正する法律により、賑わいのある道路空間を構築するための道路の指定制度「歩行者利便増進道路」(通称:ほこみち)制度を創設しました。街や地域の賑わいを創出する観点でこの制度を活用する場合、住民を含めた合意形成が図られると想定されるため、これに資する様、制度活用後の街のイメージを可視化したシステムを構築しました。構築に際しては、道路や建物などの公共空間を含めて人の賑わいを表現すること、システム利用者が操作することなく没入できることに配慮して、道路、建物、人の活動などを検討しました。また、仕様については、写真、実写表現、3DCGなどを比較し様々な事例に対応しやすい3DCGを選択したり、システム利用者が没入しやすい方法としてヘッドマウントディスプレイ(頭部に装着するディスプレイ装置)を選択したりしました。なお、自由が丘地区の街づくりにも貢献できる様、公共空間には都市計画道路補助127号線を設定しました。今後については、インターフェースの改善、シミュレーション機能の拡充に加え、街づくりの現場での活用とフィードバックを展望としました。

“GARDEN“をコンセプトとした公共空間の将来像

路上荷捌きの実態として、駐車台数や時間、横持ち距離などを表示

屋外空間が地区内の行動に与える影響について
調査したアンケート

道路上での賑わいイメージを可視化した
VR技術を用いたシステム

それぞれの発表後、活発に行われた意見交換

すべての発表終了後に自然と行われた交流の様子

<関連するリンク先>
都市生活学部の学生が、未来の自由が丘の街づくりについて、地域の方々へ提案しました(2020.2.28)

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