活動報告
第1回「私たちが描く未来の環境都市」公開講座を開催しました

6月4日(土)、本学・二子玉川夢キャンパスにて、本学主催(協力:大和リース株式会社)による、第1回「私たちが描く未来の環境都市」公開講座を開催しました。
本講座は、「幸せなまちを未来に受け渡す」新たな方法と仕組み創りを、従来の都市計画の視点ではなく、人間の幸せに基づき、風土・文化・歴史・生物など多様な観点から捉えなおし、学術と産業のコラボレーションで探求していくものです。講師には、環境、建築、土木、ランドスケープの第一線でご活躍の先生方をお迎えし、ご講演をいただきながら、全6回のシリーズとして開催していきます。
第1回目となった今回は、現在の「まち/都市」の課題というテーマで、首都圏が直面している課題と、今後、国民の期待が集まる2020年の東京オリンピックを契機として次世代に遺す「環境遺産」の創造、生物の棲家となる「森」とそれらを繋げる「緑のネットワーク」を都市に創出し、生物多様性を護る方法、「人と人」「人と自然」が対話してしあわせを感じられる「まち」のしつらえなど、新しいまちづくりの実現方法についての展望を、建築家である隈 研吾氏のご講演、そして大和リース株式会社代表取締役社長の森田俊作氏、本学特別教授で造園家、ランドスケープ・アーキテクトの涌井史郎氏を迎えて、議論がなされました。
第一部では、隈 研吾氏の基調講演がおこなわれました。国内外のさまざまな建築物を例として紹介しながら、自然と建築物との関係について、そこに昔からずっと存在した自然に対して、破壊あるいは対立するのではなく“寄り添う”建築、建築の添え物として緑を捉えるのではなく、建築を訪れる人々が緑に親しみながら誘われる(いざなわれる)建築デザインの重要性を訴え、中でも、2020年に開催される東京オリンピックの会場である新国立競技場にも取り入れられている「里山モデル」の説明では、「木」のデザインに注目が集まり、全国から地元産の木材ご提供の申し出があつまっている事など、プロジェクトに参加協力される人が多く、新国立競技場が沢山の人々の夢を叶える緑の環境遺産の1つであるということに大変大きな感銘を受けました。参加者の皆様も、会場で熱心に耳を傾け、メモを取られていました。
第二部では、涌井特別教授を中心に3氏によるトークセッションが行われました。未来の環境都市を展望する議論は、経済、サステナビリティー、エコロジーとエコノミーの両立、ライフスタイルと話題が展開し、笑いを交えつつ、和やかな雰囲気の中で進みました。
一部、二部ともに、参加者から熱心な質問も発せられ、未来の環境都市や自分が住んでいる「まち」について、改めて考えるよい契機になったのではないでしょうか。人と緑、緑と緑、人と人とが結びつきながら、自然に守られ「本当にしあわせに暮らし続けられるまち」を創る手法について、これから第6回講座まで、さまざまな方面の第一人者の先生方から話題提供をしていただき、議論や考察を深める機会になることが期待されます。
次回は7月15日(金)19時~21時(開場18時30分)同キャンパスで開催となります。皆様のご来場を心よりお待ちしております。
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建築家 隈 研吾氏
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本学特別教授 涌井史郎
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大和リース株式会社代表取締役社長 森田俊作氏
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質疑応答の様子
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第二部 トークセッションの様子
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講演会の様子